「東京大学のアルバート・アイラー 上・下」
文庫版になっていたので思わず買ってしまいました。以前図書館で読んだときエライ事面白かったのですが、ハードカバー上下巻で4000円弱は・・・。文庫版で1300円なら迷わず買いです。
内容は2004年に東京大学で行われた一般教養(こんな講義なら受けたい!)の講義で、JAZZ界からの視点で音楽の変遷を辿っています。と言っても堅苦しさは全く無くて、「東大でアルバート・アイラーをかけたら面白い」と言う至極崇高?な意欲に満ち溢れています。JAZZ史とは言え、黒人音楽をベースに話題を展開しているので、JAZZに興味が無くても非常に為になります。(”一般教養”だから当たり前?)読み物としても最高なので一読されることをオススメします。
こちらはハウリン・ウルフの伝記本。5000円ってのは正直高過ぎですが、こればっかりは仕様がありません。買ってしまった私の負けです。まだ少ししか読んでませんが、あまり知らなかったウルフの生の姿が詳細に書かれています。冒頭からかなり辛い内容です。
で、ずっと気になっていたボブ・グリーンのコラム集「街角の詩」にあるストーンズとのエピソード。1975年、シカゴににツアーでやってきたストーンズが、腎臓病を患いチケットを買う金さえ無いウルフを無視し、辛うじてビル・ワイマンだけが謝りに訪れた、と言う物。ウルフや他のブルースマンの芸を”盗んだ”ストーンズは一晩でウルフの何年分かを稼ぎ出すのに、ウルフ(や他のブルースマン)は僅か数十ドルさえ都合がつかない。昔これを読んでストーンズが嫌いになりました(笑)。
飛ばし読みしたらしっかりとこの件に記述があって、どうやらストーンズ側からの招待をウルフが「ああいううるさいのは好きじゃない」と断ったと言うのが本当らしい。結局ボブ・グリーンの記事が反響を呼んで、奥さんとライブ会場に出向いたと記述がありました。
ウルフが亡くなって30年以上。現在ではブルース音楽は充分メジャーなジャンルになりましたが、メジャーなのはギタリストばかり。もう少しヴォーカルに光が当たって欲しいと思う今日この頃です。
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